選手生命の長い選手に共通するのは、「◯◯◯を疎かにしない」である

アスリートにとって、トレーニングと同じくらい重要なのが睡眠と食事。

どれが不足していても、ベストパフォーマンスが発揮できないことは明らからですが、「知ってはいるけど、ついついおろそかになってしまう」のが食事(栄養補給)ではないでしょうか?

そこで、「食べる力」(生命力)を高めることで心と体の両面から健康を追求して、スポーツと社会の発展に貢献すべく立ち上げられた、『一般社団法人食アスリート協会 http://s-a.or.jp/』の柏原幸代さんにアスリートにとっての食事の重要性を教えてもらいました。

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食アスリート協会ってどんな社団法人?

「食べる力」(生命力)を高めることで心と体の両面からの健康を追求し、スポーツ・社会の発展に貢献することを理念としています。

具体的な基本方針として、以下の3つがあります。

1.「食べる力」をアスリートとスポーツ愛好者へ広げることにより、日本人の健康レベルを上げる
2.日本食をベースとしてスポーツ選手のカラダづくりをサポートする
3.スポーツと食の関係性から豊かな社会づくりに貢献する


食アスリート協会が提唱する「食べる力」ってなに?

食を栄養の観点だけで見るのではなく、
1.食べることに対する意識、
2.食物を受け止める体の機能を高めるメソッドのことです。
これを「食べる力」と表現しています。

同じ食事をしていても人によって結果の出方は違います。その違いは、意識レベルと体の機能の差によるものです。


「食べる力をつける=大食漢になれ」ってこと?

いいえ、違います(笑)。本能のおもむくままに、食べたいものを食べたいだけ食べるという意味ではありません。メッセージのキモは「何を、どのくらい、どのように、何のために、食べるか?」ということです。

たとえば、運動直後で疲れているときって、食欲がなくなるでしょう?でも、そういうときこそきちんと栄養補給のためにきちんとたべなくてはいけません。そういう意味では、食欲や本能に反した食生活をしなければならないときもあるということです。


どんなチームのサポートをしているんですか?

競技は様々でして、大阪桐蔭高校のラグビー部、朝日大学の硬式野球部、伏見工業高校のラグビー部、ビーチバレーの上場 雄也(あげば ゆうや)選手、ボクシングの日本ライトフライ級チャンピオンの木村 悠(きむら ゆう)「https://www.facebook.com/yu.kimura.39」選手等をサポートしています。

情報サイト「食育イマジン」でも木村悠選手を紹介しています。

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アスリートはどれくらい食べるべき?

現代っ子は食が細い傾向があります。たとえば、サッカー選手はジュニアもユースも必要量を摂っていないことが多い。Jリーグの下部組織を指導したこともありますが、やはり押しなべて身体の線が細い。みなさんの思っている以上に必要なんです。特に成長期のアスリートは食べる量が重要です。

なお、運動量の多いスポーツは、目安として中学1年生で1食あたり1合くらいのご飯が目安です。


そんなに食べて本当に大丈夫?太らない?

大丈夫です。ただし、ご飯(白米)を増やして、おかずを減らすのがポイント。そしてご飯はよく噛んで咀嚼するようにしてください。

ボクシングの日本ライトフライ級チャンピオンの木村 悠(きむらゆう)選手は、我々のサポートから肉体が劇的に改造されました。信じられないかもしれないですが、木村選手は試合の計量が行われる前日にご飯とステーキを食べています。普通はありえないですよね?そんなことも平気でできるくらい、減量で苦しんでいないんですよ。


食べてはいけないモノはある?

とくに「これは食べてはダメ」という指導はしません。制約しすぎてストレスを貯めてしまうくらいなら、たまには好きなお菓子をつまむこともかまわないですよ。もちろん、オンオフの切り替えは大切ですが。

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カロリー計算をし過ぎてしまうことで陥るミス

カロリーを完全に計算しているにも関わらず、指導している選手の体重が変わらない(意図した方に増えない or減らない)というケースがあります。これはけっしてめずらしいことではなく、栄養士さんでも陥ってしまうことがあります。

選手はそれぞれ体質も、体形も、その時に必要とする栄養素も異なるのですから、同じものを食べても結果はすべて違ってきます。紙面上の計算だけに頼るのではなく、その選手が必要としているモノは何か、選手と向き合ってケース・バイ・ケースで対応すべきです。


玄米?白米?

オススメするのは白米です。玄米にはビタミン、ミネラルや食物繊維が含まれているので栄養価は高いのですが、消化が良くなく、吸収されにくいんですね。アスリートはもちろん、成長期の子供は頑張って玄米を食べるよりは、白米の方が胃腸に余計な負担をかけません。栄養価を上げるためには白米に雑穀を加える方法が効果的です。


米でも筋肉は作られるの?肉ではなく?

筋肉に必要なたんぱく質はお米にも含まれています。また、摂取したたんぱく質を効率的に筋肉に変える条件がエネルギーが循環していること。運動でエネルギーを消耗してしまった状態ではたんぱく質の力が発揮されにくい。そこで、お米はエネルギーをチャージしつつたんぱく質も摂れる理想的な食材といえます。もちろん、肉で摂取してもいいのですが、運動直後に栄養補給したいとき、都合よくお肉を用意するのは難しいですよね?運動後には、おにぎりを1~2個食べるのを習慣にすると、回復も早くなりますよ。

ちなみにご飯1杯分(150g)に含まれる栄養成分でいいますと、糖質は約48グラム、タンパク質は3.9グラム、脂質はほとんどありません。
<引用元 お米とごはんの基礎知識(http://www.okomehp.net/eat/eat008)>

昔の人は、お肉を食べる習慣がなく、お米中心の生活を送っていたわけですが、筋骨のしっかりとした肉体で、飛脚たちはそれで1日何十キロも走っていたわけですからね。お米の力は侮れないんですよ。


選手寿命が長い選手に共通している習慣

これは強くお伝えしたいのですが、プロとして第一線で活躍する選手に共通していることは、「自分の身体に真摯に向き合い、食べることを疎かにしない」です。身体を労って、必要な食事を心がけ、食物をしっかりと受け止められる(消化器系を含めた)強靭な肉体を持っている選手は、長きにわたって活躍していますよ。

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まとめ

最近は、「炭水化物を断つ」タイプのダイエット法も巷を賑わせていますが、少なくともアスリートは手を出さないほうが良さそうです。アスリートの皆さんは、どうか自分の身体に真摯に向き合い、食べることを疎かにしないでください。


取材協力

一般社団法人食アスリート協会
http://s-a.or.jp/
副代表理事
柏原 幸代様