あるスポーツではあり得る!!小学5年生が大人を負かす!?その実態とは

前回は、2015年2月に開催された神奈川県卓球選手権大会、ジュニア部門で優勝した青柳選手(湘南工科大学附属高等学校)をインタビューしました。

今回は同チーム監督の武田先生に卓球の奥深さを教えてもらいました。

どんなスポーツであっても、メンタルの重要性は言わずもがなですが、対戦相手との距離が近い卓球は、紙一重のところでしのぎを削っているそうですよ。

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卓球ってどれくらい競技人口がいるんですか?

卓球ってマイナースポーツと思われているんですけど、小学生等のちびっ子競技人口は実は多いんです。卓球の競技人口は約900万人で、「サッカー(750万人)」、「野球(730万人)」よりも多いんです。
「スポーツの競技人口ってどんなのが多いの?(マイナビニュース)」
http://news.mynavi.jp/c_career/level1/yoko/2012/12/post_2753.html
あと、日本って意外にプレー環境や施設が整っているんです。それも競技人口の多さにプラスに作用していますね。

卓球に理想的な体形とか身長はあるんですか?

とくにこれが有利ってことはないです。身長は175センチ~180センチくらいが適しているとは思いますが、小さくて優秀な選手もいますので、絶対的な条件はあまりないです。

卓球って、フィジカルの差が勝敗に影響しにくいスポーツなんです。バスケットボールは身長があったほうが有利だし、接触プレーのある競技は体格が物を言いますよね。でも、小学生が高校生に勝ってしまうこともあるのが卓球です。

そういう意味では、体格差を言い訳にできないスポーツといえるでしょう(笑)。

小学生が高校生に勝つスポーツって、ちょっとないですよね

卓球以外では、考えつかないですね。
最近、実際にあった話なのですが、今年のスウェーデンで行われた国際大会で、小学5年生の日本人の男の子が、2015年の全日本のシングル男子の準優勝選手に勝ったんです。小学生が国内第2位の選手を負かしたんですよ。かなり珍しい特異なケースではありますが、こういうことも起きるのが卓球の面白さです。
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日本人の国民性にマッチしている

日本人には向いているスポーツかなという気はしますね。
まず日本人は手先が器用です。卓球はパワーもさることながら技術や手のひら、腕の感覚が大切なので、細かい作業が得意な日本人向きとは言えます。それと、日本人は一般的に我慢強い国民です。卓球って我慢のスポーツって側面があって、ミスをしない限り負けないんですよ。相手が10回レシーブしてきたら、こっちは11回打ち返せばいい。心理戦をしながら相手のミスを誘ったりもします。卓球は忍耐力が必要なので、これも日本人向きなのかもしれません。

日本人は我慢強いってことですが、海外の選手は違うんですか?

違いますね。国にもよりますがキレる選手は少なくないですよ。中学生の頃、海外で試合をしたときは、ミスをして叫んだり、台を蹴ったり、ラケットを放り投げたりする選手はいました。
日本だとありえない光景なので、びっくりしましたね。こういう相手だと、「ああ、こりゃ勝てるぞ」って思います。ただ、ぜんぜんキレていないのに、相手を油断させるためにキレているふりをする選手もいたりするので、気が抜けないのですが(笑)。

卓球独特の心理戦あれこれ

卓球は相手との距離が近いスポーツです。よって、表情から心理が読まれやすい。
私の経験上からも、選手に口酸っぱく伝えているのは、「ミスしても表情に出すな」ということ。顔をしかめたり、落胆したり、「やられた」って表情を見せてはダメなんです。それは相手に一発で伝わり、自信を与えてしまう。

「仕留めた(ポイントゲット)!」って打ち抜いたつもりが、鮮やかに返されてポイントを与えてしまったとき、心のなかでは「ええ~~~!?」ってなっても、表情一つ変えません。「フム(ほほう、返したかね)」くらいの余裕を見せつけるんです(笑)。

どうしても悔しいときは、ボールを取りに行くために相手に背中を見せたとき、くらい。表情が見られない角度で悔しがります。ただ、相手チームの監督にも見られているので、油断はできないですよ(笑)。
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卓球はメンタルが極めて重要

あらゆるスポーツでメンタルが重要なように、卓球でも重要です。
メンタルは筋肉と違って「こうやれば確実に力がつく」という方法はないですが、私が選手に伝えているのは「辛くなってからが練習だ」ですね。身体が元気なうちは、パフォーマンスが良くて当たり前。疲れたとき、苦しいときに力を発揮できる選手はメンタルが強い。

練習中、相手に決定的なショットを打たれたとき、ダメかもしれないけど食らいつく選手と適当に打ち返す選手がいます。「もうダメだ」とばかり、あさっての方向に球をパコーンと弾いてしまうプレーは厳しく指摘します。そういうプレーをしていたら、強いメンタルは育まれません。

卓球には必ず"流れ"というものが存在します。ほんの一つのプレーがキッカケで波に乗れたり、逆にガタガタに崩れることがあるんです。何気ない軽いプレーが、試合の流れを決定づける
ってことはままあるんですよ。だから、疎かなプレーはさせたくないんです。


卓球の奥深さを教えていただき、ありがとうございました!


<取材協力>

湘南工科大学附属高等学校
卓球部 監督
武田和也