【東城翔也のポルトガルリーグ奮闘記- 第1回】 サッカーが上手いだけではブラジルでプロになれない

アスリートストーリーズでサポートしている東城翔也選手は、現在ポルトガル1部リーグのマリティモ(http://www.csmaritimo.pt/)に所属しています。2015年2月に新加入したばかり。それまでは、ブラジルリオデジャネイロ州1部フリブルゲンセでプレーしていました。

アスリートストーリーズは、東城翔也選手を長期にわたって継続的に取材し続けます。
ポルトガルでプロとしてプレーするとはどういうことか?これまでのブラジルでの生活は?日本サッカーとの違い等、現役プロの話を臨場感たっぷりにお伝えします。

第1回は、ブラジルに渡った経緯とポルトガルに移籍することになった話を中心に聞いてみました。
20150427_01_01.jpg

いつから海外に行った?

中2、中3のとき、何度かスペインとブラジルに短期留学したことがあります。本格的に海外挑戦したのは高2冬。当時は水戸ホーリーホックのユースに所属していましたが、そこをやめてブラジルに渡りました。

17歳だったのでプロ契約はできず、留学ビザでユースカテゴリでプレーし、18歳でプロ契約に至りました。留学生扱いではなく正式にプロとして労働ビザが発給されることは稀で、自分を含めてまだ3人しかません。一人目は三浦カズ選手、二人目は私の兄、三人目が自分です。

プロになれた理由は?

多くの人の支えの結果です。自分一人の力ではプロにはなれていませんでした。言葉の壁、文化の壁もあったし、最初に所属したフリブルゲンセもよく面倒をみてくれました。大半の日本人選手には十分な周りのサポートがないものです。でも、プロになるには周囲の支えと助けが必要です。

たとえば、労働ビザ取得ために動いてくれる関係者もそうです。ブラジルは仕事が遅く、書類審査で時間かかります。チームも本気で動いてくれました。サッカーの能力だけではいかんともしがたいんですよ。こういったサポートのお陰でスムーズにプロになれました。

ブラジル4部って、日本で比較するとどれくらいのレベル?

ブラジル4部とはいえ、個の能力が相当に高いです。ざっくりな印象ですが、「ブラジル4部=J2の上位と同レベル」ですかね。J1には及ばないけど、J2には勝つくらいかなと。ブラジルの1部は世界で見てもトップクラスです。もちろん、J1では歯がたたないレベル。

ブラジルのサッカーってどんなスタイル?

日本ではテレビ放送もあまりされていないし、ふつうの人にはイメージしにくいかもしれないですね。日本のサッカーは速いです。急いでいるとも言えるかな。ブラジル、とくにリオのチームは「ゆったりプレーする」のが特徴。バックラインのボール回しはゆったりします。でもスイッチが入ったり、カウンターでは急激にスピードアップして、プレーにメリハリがありますね。

プレースタイルの差には面食らった?

17歳で行ったときは、まずユースの練習から参加したんですが、とくに面食らいはしなかったです。中学生時代に何度かブラジルとスペインを行き来してプレーした経験のお陰ですね。なんの準備も知識もないままにブラジルに渡っていたら、きっと通用しなかった気がします。ぱっと行って、すぐ戦える場所じゃあないです。


20150427_01_02.jpg


環境の差はあった?

ピッチは日本のほうがはるかに優れています。ブラジルはどこも芝がボコボコで、トラップひとつにしても思うようにおさめられない。最初は、「なんだこれ?」って感じるピッチでした。でも、ブラジル人はそんなピッチ上でも難なくプレーしているんですよ。あれは驚きましたね。

自分よりうまい日本人はいる?

ボクより足元がうまい選手はいくらでもいます。ただ、サッカーは技術だけじゃなくってメンタルも重要。「オレはできる」、「今はまだまだでも、きっとやれるようになる」って強い気持ちを持ち続けることが大事。カンタンに言うと、ハートの強さですかね。

うまいけれどピッチで戦えない選手は多いです。うまいだけでは絶対にプロになれないです。うまいことは最低条件で、「戦う精神があるかどうか」をスカウトはシビアに見極めてきます。

日本人として差別は受けた?

ブラジル人のチームメイトから、差別は普通に受けましたね。彼らは言葉が汚いので、ずけずけと言いたいことを言ってくる。でも、言われたら言い返さなくっちゃダメ、黙っていたらなめられます。だから、下手なポルトガル語でやり合いました。ただ、ブラジル人は口は悪いけど、翌日ケロッと忘れてるもんです(笑)。

メンタルの強さはどう養った?

厳しい父に、子供の頃から叩きこまれたせいですかね。戦う姿勢がないって思われたら、すごく叱られました。それがなければ、今のガッツは身についてなかったかもしれないです。「心が折れそうになったことがあるか」ですか?いや、自分はいい意味で舞い上がるタイプなので、この高いレベルに到達するにはどう努力すればいいんだろうって考えるんですよ。だから、折れることはなかったです。

まあ、試合の先発メンバーに選ばれなかったときとかは、20分くらい落ち込むけど(笑)。でも、その後すぐ気持ちは切り替えて引きずらないようにしますよ。


20150427_01_03.jpg

※第2回に続きます。
------------------------------------------------------------

<東城翔也プロフィール>

東京都板橋区出身。幼稚園の頃から2人の兄の影響でサッカーを始める。高校2年生の時、日本遠征へきていたブラジルリオデジャネイロ州1部フリブルゲンセからオファーを受け、ブラジルへの留学を決める。そして、当時通っていた全日制の高校からKTCに転入。当時17歳であった事からプロ契約ができなかったため、U-23チームで公式戦などに出場していた。2015年1月にポルトガル1部リーグのCS Marítimoに移籍し、より高いステージへと進んだ。

<マリティモの情報はこちら>

公式サイト http://www.csmaritimo.pt/
公式フェースブックページ https://www.facebook.com/csmaritimo
YouTube公式チャネル https://www.youtube.com/user/csmaritimomadeira
---------------------------------------------